福岡|天神|晴れ
Takaya:Collection 011/AW2022 “ Vertical Concept “を象徴する「Laib Coat」。
最大の特徴は変容すること。
着脱が可能なストールはスタンドカラーにも姿を変え、扱う者の手によって姿を変え寄り添います。
また、ウエストはレギュラーフィットからタイトフィットへと二段階の調節が可能。
留め具にはクラックした表情が美しいElise Gettliffeの陶磁器の作品が使用されています。
ストールを取り外したノーカラーの形態から羽織り始めて、真冬にはスタンドカラーの形態へと変化させ、厳しい寒さを感じながら顔を埋めて街を歩く。
そんな風に、季節の移り変わり、天候の変化を楽しみながら一日一日を共にすることが出来る特別な一着となってくれることと思います。
それは東京ではなく長野にアトリエを構え、日々自然と共に生活を営んでいる天地氏が生み出した"衣服"だからこそのもの。
デザイナーがどんな環境に身を置いているのか。
東京ではないということが他のブランドと比べて特異だとされることが多い様ですが私は全くそうは思いません。
むしろ天地氏が生まれ育ったエルクバレーに重ねて選んだ長野という土地に身を置き、ものづくりを行うための環境を整えて営む生活は、むしろとても自然で真っ当なことだと思います。
"アパレルブランド"という先人達が作った様々な道筋を辿らず、自らの道を自らで考え、一歩一歩自らの足で歩んでいるブランドは稀有です。
先日天地氏が来店された際、この様に教えてくれました。
「デザイナーになりたくてデザイナーになったのではなく、アーティストとして、表現手法の一つが"衣服"です。一般的に言えばデザイナーと呼ばれる立ち位置となっていますが出発点が違います。」と。
そしてこうも教えてくれました。
「"衣服"はコレクションという制約の中で表現していて、CAMPAIGN LOOKは"写真"という"衣服"とはまた別の表現なんです。」と。
この言葉を耳にした時、なぜ「amachi.」がこれほどまでに特別であるのか。
全てが腑に落ちました。
生活の中から美を見出すamachi.。
琴線に触れた方はぜひこの機会に。
amachi. × Elise Gettliffe
「Laib Coat」
COLOR:Flint Gray
SIZE:5/M
MATERIAL:Wool 100%(Super160’s)
PRICE:198,000 JPY
amachi.
Collection 011/AW2022 “ Vertical Concept “
山岳地帯での生活を原体験にもつ私にとって
移動することは、山を登り、下りること
そして、木登りすることに象徴されるように
垂直方向へ行われる行為でありました
木登りを通して、自然の中に展開する垂直軸へ目を凝らすと
はっきりと変化してゆく植生、湿度、温度
それらが構成する個別の世界を見つけることができます
地面の高さで感じる腐植質、苔、土や鉱物の香り
そこから数センチ目線を上げたところに現れる下草
上へ行くほどに樹木の存在感が強くなってゆき
さらに上空には葉や梢のみずみずしさ、太陽の光
風の流れといった地上とは異なる世界が広がっています
垂直方向へ向かって多層的な広がりを見せる自然界
均質化した都市空間では感じる機会が少なくなった
そうした自然の営みへ思いを巡らす中で
繊細で美しい素材の質感や香り、空気の生み出すグラデーションを
一つのコレクションとして表現してみたいという思いに至りました
それぞれのピースには垂直方向へ連なる多層性
あるいは垂直軸に存在する一定の高さで感じ取ることができる情景を反映しています
“垂直”に切り取ることで、日常の意識を異化する
それが今季のコレクションの試みとも言えるでしょう